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国内排出量取引制度の今 

現在、政府ではキャップ・アンド・トレード(C&T)と呼ばれる排出量取引の仕組みを検討している。

排出削減期間を定めた上で対象となる部門全体の排出量上限量(キャップ)を決め、その範囲内で企業ごとや事業所ごとに排出枠(排出しても良い量)を割り当てる。

実際の排出量が排出枠を下回れば目標達成で、逆に上回れば目標未達成となり、罰金などのペナルティーが科される。企業は目標達成のために省エネルギー設備や再生可能エネルギーを導入し、排出枠の範囲内にCO2排出量を抑える必要がある。

自力での排出削減が難しい場合は、他社から余った排出枠を購入(トレード)し、実際の排出量と帳尻を合わせることもできる。これがC&Tの一連の仕組みである。

キャップ・アンド・トレードの仕組み

費用効率良くCO2削減ができるという声もあるが、排出規制を伴うので製品を思うように生産できなくなり国際競争力低下を懸念する意見等、賛否両論がある。


産業界から上がっている多くの声を以下にまとめる。

企業間の校正な競争を阻害する恐れがある
製品が市場で評価されずに生産量が減少した企業は、排出量が減るため、排出削減目標を達成しやすくなる。しかし、製品が市場で評価され、増産した企業は排出量が増えるため、排出削減目標の達成が難しくなり、結果的に排出量取引に頼らざるを得なくなり、不公平である。

製品生産段階だけでなく使用段階を含むライフサイクル全体でCO2削減を評価すべき
省エネルギー性能に優れた高機能品を製造する場合、従来品と比べて生産時のCO2排出量が増えてしまうケースがある。

 例:ハイブリッド車とガソリン車

 ハイブリッド車はガソリン車と比べて走行時のCO2削減に大きく貢献している。
 しかし素材や部品の増加や車両の組み立て段階では、部品の増加などが影響し排出量が増えるとされる。

企業間の削減効果の割合はどうなるのか
ある部品を採用したことで製品使用時のCO2排出量が劇的に下がった場合、その削減効果を完成品メーカーと部品メーカーとの間でどのような割合で認めるのか、不公平感を出さない慎重な検討が必要。


政府内で検討が続く中、埼玉県が排出量取引制度を開始する。

今年4月から大規模事業所の排出総量削減義務と排出量取引制度を導入した東京都に続き、埼玉県が2011年4月から同様の制度を開始する。

参考:埼玉県 目標設定型排出量取引について


政府は排出量取引で先行するこれらの自治体との調整も必要になる。

(日刊工業新聞 2010.7.30より一部引用)

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